私の人生は深遠で
上品な色合いのつづれおりだった
それはめまぐるしく変化する景色の
永遠のありさま
それは少量のブルーとゴールドで織られた
見事なマジック
感じる、そして見つめるための
つづれおり
手にすることはできない
昔、空のまんなかに
やわらかい銀色の悲しみが
浮かんでいて
そこから運命の男がやってきた
通りすがりの放浪者…
彼はボロボロに裂けた布を
なめし皮のズボンのまわりにまとい
色々な色の入った
片側が黄色で片側はグリーンのコートを
来てた
彼はなぜそこにいるのか
よく分からなない様子で
不安げで、落ち着きがなかった
一度、木にかかっている
黄金色の何かに手を伸ばしたが
彼がおろした手には何もなかった
彼は、じきに私のつづれ織りの中で
轍のついた道を選んでいた
川辺の石に座り
そして葦になった
まるで誰かの邪悪な呪文にかかったようだった
彼のこと、そんなによく知らなかったけど
彼の苦しみをおもって
私は泣いた
泣きながら見ていたら、突然
あごひげの中から
灰色の幽霊のような姿が現れた
漆黒の暗闇の時代には
黒い服に身をつつんだ彼を
見たことがある
そして今、
私のつづれ織りはほつれつつある
彼が私を連れ戻そうとしているから
彼が私を連れ戻そうとしているから
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